ビグスクブームへのカウンターはスポーツ性能で!?それっぽい見た目で?XMAX250 2018年新型インプレ①

フュージョンやマジェスティ、フォルツァやスカイウェーブにマグザムなど、250㏄クラスのビッグスクーターは流行りに流行って一時代を築いていたりしました。特に1990年代後半からという、比較的最近のブームでございました。オジサンの乗るビジネスビッグスクーターをかっこよくカスタムであったり、ローアンドロングのフュージョンはアメリカン・クルーザー的なポジションとスタイルでタンデムで街を流す、という敢えてのカウンターカルチャー的なダサカッコ良さからのストリートスタイルという、時代の叛逆精神具現化する素敵なツールでしたね~(シミジミ)250㏄という車検がなくて維持、イジリしやすいというのもあって、過激なカスタムも流行ったものです。クラスの分不相応にオーディオを着けたり、ローダウンを極めてスラムドJDMスタイルであったり、面白かった時代かも。

ここ最近はメッキりビグスクブームは下火、乗っているのはDQNなヤンキー崩れみたいなイメージがあるかも。合理的な選択としては原付2種クラスとなる125㏄であったり、ベースは原二でも150㏄~という排気量の新しいカテゴリが人気で盛り上がっていたりします。

XMAXのネーミングからもわかる通り、ヤマハの250㏄ビッグスクーターの反撃の狼煙は欧州で評判の良いTMAXにからめたデザインとスタイルで登場しています。NMAXとの関連性も持たせ、すぐ下にはマジェスティSを控えさせ、スポーティなスクーターのラインナップを完成させようとしている感じですね。前後の凝縮感、塊感を演出し、ハンドリングがよさそうなモダンでヨーロピアンなイメージです。実は全長は旧型のマジェスティと大差なく、フロントとシート回りのデザインやマフラーのボリューム感などで新しさを醸し出しています。

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新型XMAXの全長・全幅・全高:2,185mm/775mm/1,415mm ホイールベースは1,540mm シート高795㎜ 車重179kg 23馬力。最高速は約150㎞/hとなっていて、100㎞/h巡行時の回転数が6000rpm弱と言った性能です。タイヤサイズはフロントが120/70-15・リアが140/70-14の前後異径で、気になる人は気になるかもしれません。リアが14インチとちょっと小径ゆえにメットインスペースは広めに取られ、45Lの容量を誇り、メット2個を収納可能な感じです。45リットルというと、GIVIの大き目のトップケース位の容量で、ネイキッドなどにトップケースを着けるのと同等の空間をシート下に備えるということで実用性が非常に高い。 
メーカー希望小売価格 XMAX ABS 642,600円 [消費税8%含む] (本体価格595,000円)と、スマートキー(キーレスアクセス)ABS装備、トラクションコントロール装備などの性能や実用性とのバランスを考えるとお値段としては実は手頃かも。

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デザインと走りへの期待、そのすべてがフロント周りのデザインに凝縮されている感じです。
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フロントは正立フォークですが、フォーク部分をカバーするようにフェンダー周りがデザインされ、フロントのカウルのややたち気味のデザインと相まってキャスターが立って(フロントフォークが立ち気味)いるように見せかけ、そして剛性感が高そうに演出している、というイメージです。倒立フォークか正立フォークか判りにくくするという狙いもあるかも。フロントカウルとスクリーンの縦方向の伸びやかさが前後方向の凝縮感を加速させ、コンパクトでハンドリングがよさそうに見えるのがポイントです。

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試乗してみての印象としては、段差を超える時のショックをしっかりと足回りで吸収しようとする車体設計の頑張りは感じます。ビッグスクーターだとフレームの剛性不足やリアの足回りのバタツキを大き目で柔らかいシートクッションでごまかす傾向にありますが、Xマックスは重量配分的にもリアに偏りすぎないように工夫がされているのか、思いの外バイクっぽい。シートがスリムなわりにシート高は高め、足つきは旧型よりか悪化しているような気もする。旧型のロー&ロングぽさからの反動とも言えますが、安楽なポジションでなく、あくまでスポーティってのが狙いでしょう。

シートが従前のビッグスクーターよりもやや前方向に延ばされている感じからか、割と車体の中央に座る感じで、荷重のかかりでフロントの希薄さが抑えられているような感じです。特に直進時に段差や不整路面を通過するときのショック吸収は上々、タイヤのボリューム感がいいのか、タイヤそのものがいいのか、軽快にいなしていく。リアはTMAXなどのマキシスクーターと比較すると少しバタツキますが、それでも旧型のマジェスティなどに比べればだいぶ落ち着いた挙動であり、レベルアップを感じます。

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ただ、コーナリングに関してはシート高が高めで重心が高くなっているのを反映してか、少しクイックに倒しこめる反面、思いの外バンク角などは取れてる感じがなく、スポーティなTMAXなどの兄貴分ほどの爽快さはないように感じます。コーナリング中の車体の剛性感はフロントのねじれ剛性が高くないように感じ、コーナリング中のギャップの通過ではリアのバタツキはより大きく感じ、TMAX乗ったことある人などは不安を感じやすいかもしれません。ですが、ビッグスクーターの特徴として、リアヘビーでリアタイヤに荷重をかけてコーナリングしやすくリアタイヤの上に乗るようなタイヤのRや傾きを感じるコーナリングを楽しめます。そこそこのスピードでコーナーをクリアできますが、一般的なバイクよりかは限界が低いというのが正直なところです。でも、楽しめる、矛盾しているようですが、多分そんな仕上がりです。速くない、少し不安は感じるけど、楽しめるという、スリルと安定感の絶妙なフィーリングとしてポジティブにとらえられますね。

個人的には新しく見える250㏄のビッグスクーターとして、ビジュアル的には成功していると思います。実際見てみてもTMAXっぽいスポーティさとステルス戦闘機的なカウルのエッジ感もイイと思う。

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スクリーンも長めで空力特性を考慮したフィンなども実際の高速走行の時に効果を発揮していると思います。高めのシートポジションとのバランスも良く、イイモノ感がそこはかとなく漂っているかも。
高速巡行もエンジンの回転の上昇的には苦しさを感じなくもないですが、振動は抑えられ、旧マジェスティよりもマフラー交換せずとも明らかに高速域の伸びも良く、かつ快適です。タンデムで120㎞/h上限の高速を走るとしたらちょっとギリギリなんじゃないかと想像しますが、そういう時にはTMAXへとステップアップしていくのが妥当でしょう。ちなみに150㏄クラスで活発に走るマジェスティSよりかは遥かに余裕があり、風防効果で快適性も高いです。

第2次ビッグスクータームーヴメントが起こせるか?となると微妙です。でも125㏄からのステップアップや、150㏄クラスからの更なるモアパワーを望む、という受け皿として役目は果たせそう。そして、このビッグスクーターならやんちゃな感じに見えにくく、大人が乗っても恥ずかしくないかなぁ~って思います。攻撃的な実用的デザインに見えつつも、実用的であり威圧的ではない、と上手く纏まっていると。

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現状でもカスタムしないでそのままで乗れる完成度があり、もう少し安ければ最高かな。
お値段はこのままであまり上昇せずに、足回りや機能面のブラッシュアップをしていってほしいモデルです。ブームを起こせなくても需要を生み出し、そして供給できるポテンシャルというのはビッグスクーターにはあると思うので、進化に期待です。フォルツァも2018年中にXMAX風にデザインをヨーロピアンに寄せて登場するし、いろいろ見比べて乗り比べて楽しいバイク市場の発展を祈りたい。

試乗インプレッション②へと続きます。

装備品を充実させるとバイクはもっと楽しく便利になる。理想の形に仕上げるにはやはり多少のカスタムは必要ですかね。



各種スクーター系の試乗インプレも参考になればと思います。

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